腸の動きが悪くなるとうつ病になる「セロトニン分泌量が原因」

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便秘の原因

はっきりした理由もないのに、何もやる気が起きなかったり、気持ちが落ち込んだりしてしまううつ病に悩む人は少なくありません。

女性の場合、4人に1人~10人に1人は、生きている間に一度はうつ病にかかるとも言われています。

女性がうつ病になりやすい年代は20代前後、50代前後、高齢期であり、人生の転換期や身体が変化する時期に発症しやすいのが特徴です。

この心の病気であるうつ病が、腸のはたらきと関係があるということをご存知でしたか?

うつ病の原因「モノアミン仮説」

うつ病は、いくつもの要因が重なって発症すると言われているものの、まだ明確な原因は解明されていないのが現実です。

なんらかの脳内の変化によって神経や物質など脳内のバランスが崩れて、気持ちに影響を与えると考えられています。

原因のひとつとして「モノアミン仮説」というものが1950年代に生まれました。

この仮説は必ずしも十分だとは言われていないながらも、現在のうつ病治療のベースとなっています。

モノアミンとは、セロトニンやドーパミンなど、気持ちに影響する神経伝達物質の呼び名です。

1950年頃に使われていた血圧を下げるレセルピンという薬が患者をうつ状態にすることが分かっていました。

後に、レセルピンを使うとセロトニンが減少することが解明されました。

他にも、イプロニアジドという結核の薬を使うと患者が興奮したり元気になったりする現象があり、薬によって気持ちが上がったり下がったりすることが分かってきました。

結果としてモノアミンが減少すると気持ちが落ち込むという仮説が生まれたというわけです。

ただ、現在ではモノアミン仮説がうつ病の原因の全てとは言い切れないとされており、他にも様々要因があると考えられるようになりました。

腸粘膜、血小板、脳内のセロトニンが減少しうつ病に

先ほどのお話にも出てきましたが、うつ病とセロトニンには深い関係があります。

セロトニンとは、心を癒して感情を安定させる働きのある脳内物質のことです。

このセロトニンが何らかの原因で減少することでうつ病を発症しやすくなると考えられています。

セロトニンは脳内物質ですが、腸を中心にして体内の様々なところにもあります。

人間の身体の中には10ミリグラムほどのセロトニンがあり、その中の約90パーセントは小腸粘膜にあって、腸の消化管の働きに影響しています。

そして8パーセントは血小板にあって、血液の循環と共に身体の中を巡っています。

主に止血作用や血管の収縮作用に影響しています。

そして残りの2パーセントが脳内の中枢神経にあって、このわずか2パーセントのセロトニンが人間の気持ちに大きく作用しているのです。

便秘が原因でうつ病

腸内に存在するセロトニンは腸の周りの筋肉を刺激することによってぜん動運動を促します。

更に、腸が作ったセロトニンを血液中に放出して、循環系や睡眠、食欲、痛みなどを制御しています。

そして最近の研究では、腸内フローラのはたらきがセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質の合成に関わりがあることが分かってきました。

このように多くのはたらきをする腸内に悪玉菌が増えると、腸内に存在するセロトニンのバランスが崩れたり分泌量が減少したりして、体調不良を起こす原因になると考えられるようになったのです。

妊娠中、妊娠後期に便秘とうつ病が同時発症することも

「妊娠うつ」という言葉があります。

その名からも分かるように、妊娠中や妊娠後期はうつ病になりやすい時期なのです。

女性の場合、妊娠していなくても生理前にイライラしたり落ち込んだりすることは多くあります。

これはホルモンバランスの変化が原因です。

妊娠すると、女性の体内ではホルモンバランスに大きな変化が表れます。

これは、胎盤を作って身体を守るために女性ホルモンが活性化するためです。

このホルモンバランスの変化が、これまでに経験したことの無い体調の変化や気持ちの変化となって現れ、上手に受け止めきれないとうつ病を発症してしまうのです。

更に、ホルモンバランスの変化は便秘も引き起こしやすくなります。

妊娠すると黄体ホルモンがはたらいて腸のぜん動運動を抑制してしまい、排便しにくくなってしまうのです。

また、妊娠後期にはお腹の赤ちゃんが大きくなるために腸が圧迫され、排便が難しくなってしまうというケースもあります。

つまり、妊娠中や妊娠後期には便秘とうつ病の両方が同時に発症することもあるのです。

また、便秘をして腸内バランスが崩れるとセロトニンが減少するため悪循環にもなってしまいます。

うつ病が原因で便秘

反対に、うつ病が原因で便秘になることもあります。

人間の身体は自律神経によって活発に動いたり休んだりしています。

自律神経には交感神経と副交感神経があって交互に切り替わって神経のバランスを保っています。

うつ病になるとこの自律神経のバランスが崩れて腸内の運動に狂いが生じます。

その結果、腸が過度に動いて痙攣してしまい、排便がスムーズに行われなくなることがあるのです。

うつ病の治療薬「抗コリン作用」の副作用が理由で便秘

うつ病の治療薬を使うと、抗コリン作用というものがはたらきます。

抗コリン作用とは神経伝達物質であるアセチルコリンのはたらきを抑える作用のことです。

抗コリン作用がはたらくと腸のぜん動運動が鈍くなるため、便秘をしやすくなるという副作用があります。

便秘とうつ病を解消するには?

うつ病の原因にストレスがあります。

深い睡眠をとると、人間は身体だけではなく脳も休むことができます。

何か悩みや心配事があっても、しっかりと質の良い睡眠をとることで、脳内がリセットされてストレスを溜めこみにくくなるのです。

また、肉体的な疲労は浅い眠りでもある程度解消されますが、脳は深い眠りでしか回復することができません。

脳の疲労を回復し、ストレスを溜めこまないようにするためにも、毎日の深い眠りはとても大切なものなのです。

神経を癒すギャバが含まれる豊富な食品を意識してとる

うつ病の薬の副作用として便秘があるため、できれば薬を飲まずにうつ病を解消、予防するようにしたいものです。

最近注目されている栄養素にギャバというものがあります。

ギャバとはガンマアミノ酪酸のことで、ストレスを緩和したり気持ちを落ち着かせたりするはたらきがあります。

また、安眠効果もあるため、深い眠りをとりやすくなります。

ギャバは睡眠中に体内で生成されますが、ストレスがあるとギャバが大量に消費されてしまうため、普段からギャバを豊富に含む食品を摂るようにしましょう。

ギャバは、発芽玄米に多く含まれます。

牛乳、納豆やキムチなどの発酵食品にも含まれています。

うつ病が腸のはたらきと大きな関係があることがお分かりいただけましたか?一見、脳と腸は関係なさそうですが、実は腸は「第二の脳」と呼ばれるほど、沢山の血管や神経が集まっている臓器です。

緊張するとお腹が痛くなってしまうという経験をした人も多いことでしょう。

人間の気持ちやストレスの状態は腸に現れやすくなるのです。

身体も脳も健康で元気な毎日を送るためにも、腸の状態には気を配り便秘をしないように食生活を整えるようにしましょう。