お酒を飲んだ翌日はお腹が緩くなることがあります。

こういった経験をする人は多いですが、お酒に含まれているアルコールが便をやわらかくしているというわけではありません。

便秘は、腸の蠕動運動が鈍くなり、便の水分が不足している状態です。

ここにアルコールが働きかけるので便秘解消効果が現れるのです。

少量のお酒は胃を刺激し排便が促進される

食事に行くと食前酒といって小さなグラスにお酒が出てくることがあります。

外国では度数の強いお酒が出てくるところが多いようですが、日本では比較的軽めのお酒が出てきます。

食事の前に少しのお酒を飲むことは、胃を刺激して胃酸の分泌をサポートし、食欲を増進させる効果があります。

胃が活発に動くとそれに連動して腸も蠕動運動が活発になるので排便が促されます。

便秘の原因の中には、腸の蠕動運動が鈍くなるために起こる便秘があります。

こんな時に少量のお酒を飲むと胃と腸に刺激が与えられ、腸の蠕動運動が活発になります。

腸が良く動けば便秘は解消されます。

ただし、たくさんの量を飲み過ぎると便秘解消ではなく、不快な下痢となってしまうので注意しましょう。

お酒を飲み過ぎることで便秘の原因になる理由

適度な量のアルコールは便秘の解消になると言われているのですが、便秘の原因になるとも言われています。

一体どちらが本当なのだと思うかもしれませんが、便秘解消にもなり便秘の原因にもなるといった両方の効果があることがわかっています。

便秘の原因になる理由は一体どんなものなのでしょう。

お酒の飲み過ぎで利尿作用が起こり便秘

お酒を飲みに行くと、「とりあえずビール」とビールを注文する人は多いですね。

仕事の後のビールは本当においしいものです。

おいしいおつまみがあれば何杯でもビールが進んでしまい、つい飲み過ぎてしまうものです。

ビールは特にそうなのですが、飲むとすぐに尿意をもよおしてきます。

一度トイレに行くと、また5分もたたないうちにトイレに行きたくなり、何度もトイレに通ってしまう経験をしたことはないでしょうか。

これは、ビールに含まれるアルコールの血管拡張作用と利尿作用でトイレに何度も行きたくなるのです。

血管が拡張したらなぜトイレに行きたくなるのかですが、血管が広がると体の中の血液量が増えます。

また、血圧も低下するので腎臓の働きも活発になり、尿がどんどん作られるのです。

これが血管拡張作用と利尿作用になります。

尿の量が増えると体内からその分、水分が減ることになります。

飲んだ分が出ているのならそれでいいのではと思いがちですが、アルコールによる利尿作用は、飲んだ分以上の尿が出てしまうのが特徴なのです。

例えばビールを1リットル飲んだとします。

そうすると出てしまう尿は1リットルではなく、1.5リットルが排出されてしまうのです。

プラス0.5リットルの尿は、体液としてあった水分が出て行ってしまったことになります。

体液水分の多くは、大腸から吸収されたものです。

体液水分が不足してくると、人間の体は大腸から盛んに水分を吸収しようとします。

そのため、大腸にある便の水分が失われ、固くなってしまい出にくくなる、つまり便秘へとつながるのです。

アルコール性神経障害により腸管運動が乱れ便秘

アルコールによる便秘の原因のもう一つは、アルコール性神経障害によるものです。

アルコールは神経毒であり、末梢神経系や中枢神経系のいずれにも作用していろいろな症状があらわれます。

酔っぱらってふらついたり、脱力感があったり、手足が動かしにくくなったりすることがありますが、これらはアルコールによる神経障害なのです。

また、神経障害によって排便機能をコントロールする自律神経系にも作用し、腸の動きが悪くなって便秘になります。

交感神経の働きが強くなると便秘になり、副交感神経の働きが強くなると下痢になると考えられています。

便秘予防の飲み方

アルコールは飲み方によっては便秘を解消する効果があることが知られていますが、便秘にもなるので注意が必要です。

アルコールを飲み過ぎるとどうしても便秘になってしまうという人は、便秘を予防する飲み方を知り、実行するようにしましょう。

1日あたりの純アルコール摂取量を意識

1日あたりの純アルコール摂取量をご存知の人がどれくらいいるのでしょう。

多くの人が知らないのではと考えられます。

一般的に、適量というのは1日あたりの純アルコール摂取量にして約20グラムと言われています。

この数値を意識して飲むようにしましょう。

具体的にどれくらいの量なのかというと、お酒別のアルコール約20グラムを含む量は、ビールなら中ビン1本、焼酎は0.6合、日本酒は1合、ウイスキーはダブルを1杯、缶チューハイは1.5本、ワインは4分の1本となっています。

これくらいであれば、気分が悪くなったり悪酔いしたりせず、ほどよくお酒を楽しめる量とされています。

ただし、お酒に弱い人や高齢者、女性の場合はこの「適量」よりも少なめが良いと言われていますのであくまでもこの量は参考にしておいてください。

お酒が大好きな人であれば、これだと少ない、もっと飲みたいという人が多いかもしれません。

しかし毎日続けて飲むのであれば、これくらいにしておいた方が胃腸のためには良いのです。

目安量をだいたい覚えておき、お酒を楽しむようにしましょう。

食物繊維、発酵食品、オレイン酸のおつまみを選ぶ

アルコールを飲む時はおつまみも一緒に食べるようにしましょう。

便秘を解消するためには、食物繊維やオレイン酸が含まれたものや、発酵食品を意識して摂ると良いです。

具体的にどんなおつまみがあるのかというと、食物繊維を多く含むものならわかめの酢の物や海藻サラダ、もずく、ひじきの煮物などです。

発酵食品はチーズやピクルス、塩辛、漬物(ぬか漬けやキムチ)などがあります。

オレイン酸を多く含むものは、ピーナッツやアーモンド、ピスタチオといったナッツ類となっていますので、これらを摂るようにして適量のお酒を飲むと便秘の予防になります。

ただし、ナッツ類は脂質が多くカロリーも高めとなっていますので、摂り過ぎには注意しましょう。

アルコールだけでなく、おつまみも適量摂るのが体に優しい摂り方と言えます。

便秘の予防はできたが太ってしまったということがないよう、注意しなければなりません。

アルコールは摂り方によって便秘になったり下痢になったりするものです。

どちらの場合も不快な症状ですから、こういったことが起こらないような飲み方をしなければなりません。

特にアルコールを飲んで便秘になるのはつらいものです。

便秘になる理由を理解し、予防するような飲み方をして毎日快適に過ごしましょう。

腸の調子が良いと、体全体の状態が良くなると言われていますので、そのことを意識し、楽しくお酒を飲みましょう。